JunjiKamatsuka

海街diaryのJunjiKamatsukaのレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
5.0
話、設定、映像、音楽、キャスティング、どれを取っても満点に近い。
今なら自宅で鑑賞という事になるのでしょうが、是非携帯切ってあらかじめおしっこも済まして、部屋の明かりも暗くして出来れば良い音で鑑賞してもらいたい。しっかりした音響環境がなければヘッドフォンを推奨します。
冒頭からスタッフロールまでずっと素敵なので存分に味わってもらいたい。
これは言ってしまえばキレイなだけの家族ドラマでオレはそういう映画はほんとに好きではないんだけどこの映画は、ロケーションや光の扱いなど映像的なものから、音楽、登場人物のこころの所作など、総合的にキレイで、それぞれのキレイさが尋常じゃなくて、よくもそこまで徹底してぶれずに貫いたなとキレイなだけの映画のその先の世界を見せてくれます。
三姉妹が住んでた広い日本家屋が舞台となってる。そこに腹違いの妹すずがいきなり住み始めるところから物語は転がり始める。
ここね。
既に内輪フォーメーションが固まってる三姉妹に観客がいきなり割って入るのは大変だが観客と同じくこれから三姉妹と生活を共にしようとするすずが観客と三姉妹との橋渡しをしてくれる。この設定は天才的だなと思った。
そしてこのキレイワールドにおいてひときわ強い引力を持つのが腹違いの妹すずの存在。すずのまっすぐさ、ひたむきさ、素直さ、凛とした佇まいが三姉妹やご近所さん達のこころを動かし、過去への思いを紐解かせ、それぞれの気持ちをそこはかとなく洗濯してくれる訳である。
大きな出来事がない代わりに三姉妹のこころの動き、三者三様、すずに対するそれぞれの優しさの形が垣間見れる。それを受けたすずのこころもまたゆっくりと変化してゆくのである。
この家族愛の描き方が素晴らしく、音楽の女神菅野さんの仕事もあって、もう邦画最高峰なんじゃないかと思わされた。
脇役として風吹ジュンさんや、大竹しのぶ、加瀬亮など豪華キャストも素晴らしい。
役者、ヘアメイク、スタイリスト、カメラ、演出などなど、様々なエキスパートの技巧の集積でもある。

最後に奔放キャラ次女佳子のナチュラルさに脱帽。長澤まさみさん今後も注目します。

四姉妹よ永遠に。
原作読みたい。