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海街diaryのikoanのレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
3.9
ちょっと長めだけどとても面白かったです。
ストーリーに大きな起伏はないんですが、なんかとても良かったです。
鎌倉に住む三姉妹が父親の葬儀で初めて会った腹違いの妹を鎌倉に引き取り、四人になった生活が鎌倉の四季の中で正に日記のように綴られていきます。
父が出て行った後再婚し、自分達を捨てた母を許せない長女、自分の存在が周りの人達を傷付けていると悩む末っ子の心情を軸に、四姉妹のそれぞれの事情と心情が親戚や周囲の人達との関係の中で描かれていくのですが、演じている四人の役者がなかなかいいんですよね。今まであまりいいと思っていなかった綾瀬はるかが意外に良かったんでびっくりしました。その他是枝監督のお気に入り?の役者達は相変わらずいい感じ。盛り上がりのない脚本を最後まで面白く見させてくれます。
さて、こののほほんとした感じは男が出てこないからなんでしょうか?上の三人はちゃんと仕事もして、仕事上の悩みも描かれてはいるんですが、どうも彼女達は家族中心に生きているように思えてなりません。原作の吉田秋生の漫画は未読ですが、是枝監督が家族というものに向ける視線を見ていると、仕事ばかり考えている現代人、かく言う私もそうですが、もう少し違った生き方があるんじゃないかと言われているように思えてなりません。
この映画、旬のシラスを生で食べたり、おばあちゃんがしていた様に庭の梅で梅酒を漬けたり、おばあちゃんの浴衣を着たり、葬式が2回、七回忌と墓参りの場面が1回でてきます。それぞれこの物語の中で重要な要素。これらの行為や法事が疎遠だった人達を再会させ、それまでの関係や心情を変化させています。そうなんですよこの映画、季節の旬の食材、梅酒を漬けるといった昔から続く毎年の行為とか法事の様な少し大きな行事が人生に大きな影響が有るんだと改めて教えてくれてる様にも思えるんです。庭のない家に住み、旬も何も関係ない食材をスーパーで買い、法事の様な行事、コミュニティの行事も希薄な現代社会に対する是枝監督の抵抗というか、批判が込められている様に思ってしまうのは私だけなのでしょうか?
なんてね。