この堂々たる四姉妹のキャスティングであれば、「四姉妹だったら誰と結婚する?」というノンデリカシー青春な話題が許されると、私は勝手に思っているのでそうさせてもらう。本当のことを言うと、本命は風吹ジュンなのだが、今回は対象外とする。
まず、長女はるかはしっかり者で、夫の屁を戦犯と見なすタイプだろう。私は家で好き放題に屁をこきたいのだ。マッチ解除である。
次女まさみは他作品からも学んだことであるが、キレると怖いので私には手に負えない。私も結構キレるが、いざ相手にキレ返されると委縮してしまうタイプである。一度でもそういうことを経験すると、キレてないときでも「なんかキレそう」な次女まさみの予備動作を繊細にキャッチする身体になる。そういう私の姿を見て、次女まさみはことさらにキレる。しまいには離婚調停で「私の子だよ!」なんてキレられたら、親権はおろか、財産分与、養育費、慰謝料等がごっそり持っていかれるだろう。マッチ解除である。
四女すずは、デートでちょっとした都心に行けば「ここも三井不動産!!すずちゃんです!!」「あれも三井不動産!!すずちゃんです!!」と発狂するだろう。最初こそ悶え死ぬかもしれないが、時間が経てばそういうムーヴは重荷へと反転していくのが宿命である。結婚2年目で「三井のすずちゃ」と言いかけている四女すずにビンタを食らわしてしまうだろう。公衆の面前で。そして屈辱に晒された泣き面に追いビンタを食らわしてしまうだろう。公衆の面前で。あと普段は寡黙なくせに、酒が回ったときだけ「本音」を吐く人が私は嫌いである。何故なら私もそうだからである。マッチ解除である。
となると、三女帆なのである。
三女帆は軽やかなキャラクターで、他の姉妹に比べてシリアスを食らいすぎない。是枝組でいうとYOUのような、相手からの感情の訴えに「またそういうこと言う~」と言及することでいなす技術を持ち合わせている。素晴らしいではないか。私は三女帆を選ぶ。そして父になる。父になった暁には、論理的思考の欠如からくるエモーショナルちゃぶ台返しをする。YOU的な素養を持つ三女帆は、マッチョな私をいとも簡単にコメディに変容させ、当の私はキレ散らかしながら現在の状況が「夫婦漫才」として昇華されていく居心地の良さをも感じる。そうやって老いを重ねて丸みを帯びていき、なんか丁度よくなる。ご近所から「ああいう夫婦になりたいねえ~」と持て囃される関係性を構築していく。素晴らしいではないか。だが、私は子供が嫌いで、ましてや子供サッカーチームの面倒を見るなど言!語!道!だBooooom!!(手榴弾で爆散する音!!)