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海街diaryのamayadoriのネタバレレビュー・内容・結末

海街diary(2015年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

近年のフジテレビ製作にしては良く出来た映画だとは思う。
滋味深い、と言ったら言い過ぎかもしれないが、派手で大味な展開ではないところに安心した。
その分、やはり抑揚がないため120分が長く感じてしまう。
どこかでヤマを作りたいところだが、それも難しい内容なので、そうなると誰かに迫真の演技を期待したいところだが、これもまた不発。
ここまで豪華なキャストを揃えながらも皆が皆、不完全燃焼なのは勿体無い。
広瀬すずの初々しさはそれ以上でも以下でもないとして、誰一人番狂わせの仕事をする役者が出て来なかったのが非常に残念。
山場もなければ見せ場もない。
これでは長く感じてしまうのも致し方ない。

個人的に一番良かったのは、花火の帰りに風太(まえだまえだ弟)がすずに「着物似合ってるよ」と言うシーン。
男の自分が言うのもなんだがこれ以上の胸キュンがあるだろうか?
ここが瞬間最大風速。
リリー・フランキーの100倍良い仕事していた。

それにしても綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、この3姉妹間の意地のぶつかり合いがほとんど無いのはプロットとしてどうなのだろうか。
女同士と言えば嫉妬、見栄の張り合い、それでいて信頼と結束・・・
こういう要素があって然るべきだが、やはりこういった所は生身の表情や台詞がないと表現出来ない。
ここが映画と漫画の決定的な違いと言えるかもしれない。

この作品では、たまにちょっとした言い争いこそするものの、ただひたすら仲が良い。
大竹しのぶの役の作り込みを見るに、あのゴタゴタの時に姉妹諸共もっと荒れても良かったのではないか?
こっちとしては綾瀬はるかと長澤まさみ、ポカリスエットとカルピスのバトルが見たかったのに。

あと原作が漫画なだけに、「こういう絵あるよね」というベタな演出の連続は鼻についた。
序盤から列車追いかけるわ桜並木の下で自転車二人乗りするわで、テンプレ通りの絵をサクサクこなしていく感じにはビジネスの香りしかしない。
花火もやったし山びこもやったし、もう思い残すこと何もないだろう。
そう考えたらすずの青春、リア充すぎて複雑な家庭環境もぶっ飛んでしまう。
そもそも古民家湘南ライフだしね。

余談だが風吹ジュンのキャスティングにはルールがあるのかってぐらい、どの作品でもこんな感じで笑ってしまう。
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