是枝監督作品3つ目。
この映画で度々出てくる「自分はここにいてもいいのか?」という問題は日常の中でも直面することが割と多くて、この映画のすずちゃんみたいにわかりやすい例以外にも、女の子数人の中に男1人とか、サッカーで先輩たちの中に混じった時とか、もしくは誰かと2人でいる時でさえこの人は今1人になりたいんじゃないかとか考える。さらに言えばラインを送るときでさえ、めんどくさがられてるんじゃないかと思う。
自分が存在することが誰かのマイナスの感情を生み出してるかもしれないと思って、どんどん内向的になっていく。
誰かといると楽しいけど、誰かといるとその危険性が伴う。それを直接言ってもらえるわけではないし、自分だって本当は不快でも言わない。
それでもそういう恐怖を乗り越えて誰かといることを選ぶのは価値のあることだというメッセージを感じて、素敵だなと思った。
それとは別に3つ目にして、なんとなく是枝作品の見方がわかってきた。
どの作品もどこにでもありそうな会話で終始進んでいくけど、細かな仕掛けとか伏線が散りばめられてて、徐々にそれらの持つ意味がわかっていく緻密な台本が本当にかっこいい。注意してみてないと気づけない伏線が多くて何度も見たくなる。