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オマールの壁のsaskiaのレビュー・感想・評価

オマールの壁(2013年製作の映画)
5.0
ずっとマイリストに入れてた作品。
やっと観た。

パレスチナに住んでいるオマールと分離壁の向こうの幼馴染とオマールの恋人ナディアを軸に描かれるパレスチナの現状。

こんな壁があるなんて知らなかった。
日本では考えられない出来事、
日本は平和だ。
パレスチナ問題のことをあまり知らないからもっとちゃんと知ろうと思った。

オマールに立ちはだかる壁。
政治、弱さ、怒り、裏切り、嘘、善と悪、理不尽、絶望、疑念。
冒頭は軽々と乗り越えられていた壁が乗り越えられなくなる、
でもなんとか乗り越えようともがく。
壁に登れなくなって助けてもらうオマールを見たら胸が痛くなった。

何を信じたらいいのかわからない世界。
友達も信じられない。
何が正しいのかもわからない。
一度疑心暗鬼になると人はもう何も信じられなくなる。

秘密警察が友達との信頼関係を壊そうとするやり方が許せない。
秘密警察ってゲシュタポしか知らなかったから現代のパレスチナにあるのが衝撃。

オマール役の役者さんめちゃくちゃイケメン。
後半の展開は予想外だったものの
ラストは少し読めたけど、
ラストカットが目に焼き付いている。
 
無音のエンドロールは余韻がすごい。
色々考えさせられた。

同監督のパラダイスナウも観ます。

辛くて残酷、完全にフィクションではなさそうな知るべき世界

おすすめです。

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2020/№419◡̈*✧🌛
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