叡福寺清子

オマールの壁の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

オマールの壁(2013年製作の映画)
3.3
あの壁の意味がわからないと理解するのが難しい作品かもしれない.私も視聴後ググった次第.それでも当然ながら正しくは理解できてないと思うよ.
例えば大阪環状線に沿って壁が出来上がり外側の人間は吉本新喜劇を鑑賞するためにオマールのように壁をよじ登らなければいいけない世界.そういう理解でいいのだろうか.そんな大阪は嫌だけど,パレスチナの人々はそんな生活を強いられている.それだけではなく,内通者が平然と味方の顔をして近寄ってくる.しかも秘密警察の連中は疑わさせる為にわざと釈放する.
こんな世界でどうやって真っ当な人間関係を構築し,恋愛を成就させればいいのか.
感情的なサントラを乗せることなく淡々とキャメラはオマールの行動を描き出す.だけど私の無知が物語の理解を阻害する.いっその事「歌声にのった少年」のように情感に訴える作品のほうが,無知な私にも伝わったのではないかと,そんな考えすら浮かんでしまった.
でもなぁ,資料読んでもやっぱわからんのだよ.パレスチナ問題・・・