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オマールの壁のan0nym0usのレビュー・感想・評価

オマールの壁(2013年製作の映画)
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イスラエル政府による「セキュリティ・フェンス」という名目で、パレスチナ人による自爆テロ防止の大義名分のもとに建設された分離壁。その総延長は450kmにも及び、ベルリンの壁を超える長さです。

監督は『これは占領下に閉じ込められ、厳しい状況に直面した愛についての映画』と言っているそうですが、捉える角度で見えるものも違ってくる作品。

壁に囲まれ、秘密警察に監視され、抑圧された環境。張り詰めたシチュエーションの中での暮らし。その中で育まれる愛情に訪れた悲しみ。それがサスペンスフルに描かれています。

『サルの捕まえ方を知っているか?』

この言葉がキーワード。
それに纏わる話を心に留めて観賞すると、ラストに衝撃が走ります。胸糞とまでは言いませんが…とても息苦しくなった。

観賞後に私が漏らした溜め息。
彼らのそれは、どれ程に重いだろうか…
そんな事を考えて、気が鬱ぐ。

閉塞感と圧迫感は類語かもしれないけど…
今作から感じるのは、明らかに後者。
私たちからすれば常軌を逸してる状況が、常に目の前に横たわってるんだもんね。
自爆テロしたくもなるわ…解放されたいに決まってるじゃん。でもなー…プロパガンダとして観ちゃうと、そこも揺れる。
袋小路に追い込まれた気分。

それにしたって…なんで連続して重たい作品を観てしまったのか…鏡に映る女に、Mなの?と問い掛けたい(*´-`)

そうだね…題材的にメガデスを聴こう。
PEACE SELLS ...BUT WHO'S BUYING?
名盤だよねー…超絶リフに慰めてもらおう。

もうちょい素直に、愛情メインで観るべきでした…またしてもスコアレス。
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