三郎丸

妻への家路の三郎丸のレビュー・感想・評価

妻への家路(2014年製作の映画)
3.0
この作品で泣こうと思っていたところ、スマホが壊れるというアクシデントで号泣…

チャン・イーモウ監督作品とワタシ的名優チェン・ダオミン見たさに鑑賞!

お話は、
革命と言うより史上最大規模の暴動として知られる”文化大革命”。死者は40万人とも1000万人とも言われ、被害者の数は1億人にものぼる現在も暗歴史…中国各地で虐殺や略奪、破壊が起こり、凄惨な様相を見せた革命の終結したのは1977年。
乱暴かつあらぬ罪で収容所に投獄されていたルー・イエンシー(チェン・ダオミン)は20年ぶりに開放され、愛する妻、フォン・ワンイー(コン・リー)の元へ帰るが、妻は心労と精神的ショックにより、夫の記憶を失っていた…
夫は一人、向かいの家に住む事を決め、一人娘の助けを借りながら、妻の記憶を取り戻そうと手を尽くす。収容所で書き溜めた何百通もの妻への手紙を、くる日も彼女に読み聞かせ、帰らぬ夫を駅に迎えにいく彼女に寄りそう。夫の隣で、ひたすら夫の帰りを待ち続ける妻。何よりも互いを求め合いながら、決して交わる事のない心が向かう先は…

とても感動する話ではありました。
チェン・ダオミンの戸惑いながらも妻になんとか自分を思い出して貰おうとするとこなんか凄く良かったです…ただ、
【記憶障害の病状の曖昧さ】
があり、奥さんは若い頃の旦那さんの顔(写真の顔はしっかり)は覚えてるのに年取ったらわからないというのはイマイチ理解出来ず(人間そんな劇的に顔や雰囲気、話し方変わらないので)最後まで尾を引いた感がありましたのでマイナス!

コン・リーの戸惑い演技も良いんですが、やはり本作
【チェン・ダオミンの奥さんにシカトされた際のヒく位に寂しそうな顔】
に尽きると思います!
収容所(それも中国の)なんか劣悪な環境だったと容易に想像出来るのに、自分の記憶が飛んだ奥さんと一緒には暮らせないからと近所の汚い物置に住むのですが、この作品の肝は、
「奥さんを見捨てずにずっと優しく見守り続ける」
というのが、ポイントであり泣き処。

自分の事すら何ら守る事が出来なそうな日本の若い男性アイドル(薄胸板、細腕)が、軽薄顔の半笑いで、
「キミを守るよ~」
みたいな説得力皆無な唄&歌詞よか、チェン・ダオミンの奥さんに向け続ける優しい眼差しのがよほど心に伝わって来ます。

人と繋がり続ける大変さや、目に見えないものを信じ抜く事の大事さを再確認しました。
(見捨てるのは簡単です)

夫婦関係に希薄さを感じてる方にオススメです!
三郎丸

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