おかみにゃん

妻への家路のおかみにゃんのレビュー・感想・評価

妻への家路(2014年製作の映画)
4.0
2015/3/11
 文化大革命で下放されたされた夫は、家族に会いたい一心で農村から脱走する。
妻は危険も顧みず夫と会うことを決意し、娘は自分のために父の居場所を密告する。
その密告により夫が捕まった衝撃で、妻は心を病み、記憶を失う。けれども娘を許せない気持ちだけは、記憶が薄れることはなく、娘はそのことで深く傷ついている。
 数年後文革も終わるが、妻は夫の顔を忘れていて、夫が帰ってきたことがわからず、帰らぬ夫を思い駅へと迎えに立つ日々を繰り返している。
夫は、妻が少しでも思い出してくれ、また娘を許す穏やかな生活がくるように、他人のふりをして「夫」からの手紙を読んだり、「夫」が得意だったピアノを弾いたりして寄り添い続ける。
 チャン・イーモウならではの、心の動きが手に取ってわかるような繊細な演出が涙を誘う良い映画だと思うが、「初恋の来た道」「サンザシの樹の下で」ほどは感動しなかった。
「夫婦愛」がクローズアップされているけど、要は文化大革命の悲劇の映画だと思う。