ノラネコの呑んで観るシネマ

虐殺器官のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

虐殺器官(2015年製作の映画)
3.6
マングローブの倒産で、公開延期になってから1年3ヶ月。
関係者本当にお疲れ様な作品。
プロットは伊藤計劃の原作にかなり忠実。
「ハーモニー」同様、小説を2時間尺に収めるために台詞多様になっているのはやむを得ないだろう。
鑑賞後の感覚は全体的に小説とかなり近い。
メカや世界観なども「あー、あれこうデザインしたか」となかなかの親和性を見せ、アクション描写も迫力がある。
ただキャラクターはちょっと今風過ぎて違和感があった。
クラヴィスは歴戦の兵士でもっとおっさんの印象だったし、ジョン・ポールもデザインが若すぎるだろ。
クラヴィスの母親設定も、出来れば生かして欲しかった。
しかし一番問題なのはラストではないか。
あそこで終わらせたら、原作既読者ならともかく、読んでない人だと違う意味に読み取ってしまう可能性がある。
あそこから原作のオチを想像するには、かなり分かりにくいと思う。
映画は映画でなかなか楽しめるけど、これはやっぱり映画観てから原作読んでほしいな。