nina

虐殺器官のninaのネタバレレビュー・内容・結末

虐殺器官(2015年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

原作ファンとして
アレックスの死因の改変とクラヴィス母のエピソード総削りは、尺の都合を鑑みても許容できなかった。

そもそも母のことがなければルツィアに固執する理由がなくなるわけで、改変するならルツィアに惹かれた理由を描いて欲しかった。それがないからクラヴィスにとってルツィアの死がどれだけの喪失感を生んだかがまるで伝わらなくてただ残念。
その空虚からラストの行動に繋がるのに、カットした辻褄を合わせるためなのか(?)エピローグも丸々カットという衝撃。

アレックスの自殺はクラヴィスに罪について考えさせる大きな要因であるのに、これを削ったことで原作の大きなテーマである「罪と罰」についてまるで描かれていない。ただの虐殺の文法の解説映画になっていて、映画単体としても普通につまらない。ウィリアムズのビックマック〜などあんなに魅力的だった言葉も、あまりにチープで寒く聞こえてしまって、文字のかっこよさと音声のかっこよさは全く別物だということに気づかされた。

あと非戦闘時のウィリアムズが仲間の死に無頓着だったり、逆にクラヴィスが戦闘中感情的になったり一貫性がなさすぎてすごいイライラした。

キリがないのでもうやめよう。
戦闘の作画が良かったのと、キャストの演技(クラヴィス以外…。)が概ねイメージ通りだったので☆1
紆余曲折あった中、完成まで漕ぎ着けたアニメーターさん達に敬意を込めて☆1
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