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虐殺器官のKANIOのレビュー・感想・評価

虐殺器官(2015年製作の映画)
1.0
オールタイムワースト作品が更新された。
制作背景を巡るゴタゴタを鑑みたとしても、物語として成立してないこんな作品が世にリリースされる事に驚く。

この映画は、原作に対する"挿絵"でしかない。
SF小説の傑作として君臨する原作に対して、デザイン部分に対するディテールのイメージを補完する役割しか持たない挿絵だ。

原作とは異なる演出や展開が多く見られるが、どれも映像作品として見やすいようにローカライズされた物であり、抽象的概念を取り扱った原作に対してSFという要素があまりにも安易で陳腐な物になってしまっている。
キャラデザに関しても、原作で意味があって特徴付けされた外見とは異なる物になっており、主人公もやたら口数が多くて全てが台無し。

映像演出面の不満はともかくとしても、この世には"テキスト"でしか表現できない物語があるというのを実感させてくれる作品。
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