つるみん

虐殺器官のつるみんのネタバレレビュー・内容・結末

虐殺器官(2015年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

エンタメ性を求めて来たのならそれは場違いで、語彙レベルの高い会話がひたすら繰り広げられ原作未読の人からすれば、ストーリーを追うだけで精一杯。むしろ迫力ある戦闘シーンが脳を働かさずに楽しめる休憩時間のような感覚だった。

その戦闘シーンの迫力ある映像化は誰が観ても楽しめる事は間違いないのだが、この作品というのはきっとそこではないだろう。説教じみた文学的、哲学的な会話から繰り出される未来を見据えたリアルなディストピアを表現する、その世界観とやらを理解し、感じ取って始めて作品を評する事が出来るのでは。正直、原作未読の僕からすれば観賞途中に申し訳なくなったし、だからと言って本ではないから読み返したりする事も出来ない。リタイアする事なく、とりあえず最後まで観賞したが、ラストのオチがあまりにも安易過ぎたので、きっとかなり省かれているシーンもあるのだなと思った。

かなり硬派なSF映画にしては心理描写がイマイチ掴めない。一度の観賞という事もあるのだが、きっともう一度映画を観るよりは原作を読んだ方が理解するには早い気がする。
つるみん

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