むーしゅ

X-MEN:アポカリプスのむーしゅのレビュー・感想・評価

X-MEN:アポカリプス(2016年製作の映画)
3.2
 映画版のX-MENは3作目でコケるという法則が正しいのか検証も兼ねて鑑賞。また旧シリーズとのつながりで回収していない部分といえば、チャールズがいつハゲるか、だったのでそこにも期待です。序盤でいきなり「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」のことを、映画は3作目が酷いと馬鹿にし、旧シリーズ3作目の「X-MEN: ファイナル ディシジョン」を皮肉っていますが、本作に対して多目に見てね?と言っているようにも見え、不穏な空気です。ちなみにアポカリプスといえば原作シリーズではなかなかの強敵で、筋骨隆々としたイメージのキャラクターなので、本作のポスターを見ると「あっこれアポカリプスなのね?」という感じ。

 1983年、世界最初のミュータントだがその強大過ぎる力が原因で封印されていたエン・サバ・ヌールの封印が解かれ、アポカリプスとして目覚める。一方1974年(前作)の事件以降、普通の暮らしをしていたマグニートーことエリックは、職場で友人を助けることに能力を使ったことで正体がばれ、拘束しようとする警察官によって妻と娘を殺されてしまう。彼を思い学園に来るよう呼びかけるレイブンとチャールズだが、エリックは二人の反対を押し切り再びマグニートーとしてアポカリプスの仲間となる道を選ぶのだが・・・という話。本作は新キャラ祭りとなっていて、旧シリーズ登場キャラクターの青年期版としてサイクロップス・ジーングレイ・エンジェル・ストーム・ナイトクローラー、また完全新キャラとしてサイロックなどなど盛沢山。ファンにとっては歓喜ですが、初めてこのシリーズを見た人にとってはキャラが多すぎて結構しんどいかもしれないです。ちなみに欲を言えば何とかアイスマンを出してほしかったです。そうすれば創設メンバーのファーストファイブを同じ画面で見るチャンスがあったかもしれないですよね。

 まずストーリーですが、新シリーズはチャールズ・エリック・レイブンにこだわって進めていた中、ここに来てその他のキャラクターを主軸に切り替えてきており、漸く原作らしい展開に育ってきています。ヒーローは1人ではなく、あなたの周りにもいるかも?という点が他のヒーローシリーズとの最大の違いでもあるので、ミュータントを種族のようにとらえ共存しようとしていることをよりしっかり描こうとしている点は見応えがありました。一方で不思議なのはなぜ2→3という順番にしたのかという点です。前回のテーマが歴史改変だったこともあり、1度きれいになったものに外伝を追加したような扱いになっており、新しい敵が出てきても最後には倒されて解決するだけでシリーズの流れには何の影響も無い展開になることが予測できてしまいます。まるで日本のアニメの劇場版作品のような。これは確実に戦略ミスです。またそういった前提により当然アポカリプスは倒されますが、「さぁ皆フルパワーだ!」みたいな倒され方はう~むですね。それこそ劇場版ドラゴンボールならありですけど、今時アクション映画としては微妙。もうちょっとあったかなという感じです。

 アクションシーンに関しては、闘う前の建造物をパワーで作っていくシーンはすごい迫力で見応え抜群ではあるものの、闘いが始まるとすごい地味。これは指一本も触れられないわ、本当勝てる気がしない、というような絶望感が漂うくらいフルボッコにされるシーンでもないと、割と勝てそうな気しかしないです。そして黙示録の四騎士との戦闘シーンは、これは原作ファンに言わすと組み合わせが悪いです。ストームとサイクロップスの新旧リーダー対決はOKですが、サイロックとビースト、エンジェルとナイトクローラーて。先ずサイロックの能力はテレパシーとサイキック・ナイフですが、その相手が肉弾戦のビーストは無いです。ここは絶対ジーン・グレイ。そしてエンジェルの相手のナイトクローラーは驚異的身体能力はあるものの、彼の能力はテレポートでどちらかといえば支援キャラクター。ここはエンジェル対ビーストのファーストファイブ同士の闘いが見たかったですね。ナイトクローラーは機動力を活かしてその間にプロフェッサーXを助けに行く役目で十分です。ついでに言うと本作のサイクロップス役Tye Sheridanとジーン・グレイ役Sophie Turnerのキャスティングは無いですね。旧シリーズのJames MarsdenとFamke Janssenがはまり役過ぎたので落差がひどいです。

 ということで全体を通してですが、「X-MEN: ファイナル ディシジョン」よりは良かった、という感じですかね。ただ新シリーズの1・2の流れがよくできていたので、いっそ原作"Age of Apocalypse"をベースに別次元として扱った方がよかったかもしれません。序盤の盛り上げ方に対し、急速に萎む後半というような映画でした。ちなみに3作で終わるはずのシリーズでしたが、次作「X-MEN: ダーク・フェニックス」が既に撮影を終え、公開を控えています。タイトルから既に原作の"ダークフェニックス・サーガ"をベースに進むことが想定できますが、これは「X-MEN: ファイナル ディシジョン」で一度扱い爆死したテーマ。再度同じテーマで作り直すとはよっぽどあの映画を無かったものとしたいんですね。ジーン・グレイとサイクロップス中心の"ダークフェニックス・サーガ"をSophie TurnerとTye Sheridanで作るとは恐怖でしか無いですが、どうなるのでしょうか、楽しみです。