このレビューはネタバレを含みます
ウェスト・メンフィス3事件を追った、ドキュメンタリー作品。
警察の杜撰な捜査と、検察の強引な印象操作によって、犯人に仕立て上げられてしまう少年3人。
この辺はNetflixの『ボクらを見る目』を想起するものがありましたね。
そこから、彼ら3人の冤罪を晴らす為に活動する人達の再捜査が描かれるわけですが、一番驚いたのは検死の件。
警察や証人が適当なのは、まだ分かりますが、まさか検死官が嘘を言うとは思わないし、生前と死後の傷を判別出来ないとは思いも寄りませんでした。
まぁ、これも検察が仕組んだストーリーだったんでしょうけど、こんな酷い事が行われていたとは…。
その後、DNAによって明らかになっていく真犯人。
そして、3人を待ち受ける苦い結末も衝撃的で、かなり見応えのあるドキュメンタリー作品だったなと。
2時間半もありますが、一気に見た方が事件の重たさが伝わって来るし、一度見始めれば、事件の顛末が気になって最後まで見続けてしまう事でしょう。
個人的に本作で一番恐ろしいなと思ったのは、人間の先入観について。
正直、私自身もゴス系の少年や虚ろ気な養父を見て、「怪しい!」と思ってしまった事は事実ですし、当時の人々も同じ印象を抱いたのでしょう。
先入観を持たずに人と接するのは難しいかもしれませんが、常にその先入観を疑う目は持っていたいものですね。