GUMI

アイアムアヒーローのGUMIのネタバレレビュー・内容・結末

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ゾンビなら
避けては通れぬ
ショッピングモール
(激しく字余り)



カズレーザーは見つけやすい。
安藤なつは見つけられなかった。

面白かった。原作に凭れ掛かるような造りだけがちょっと不満。


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人間が土佐犬を襲うほどに凶暴化させてしまうウイルス:ZQNが流行の兆しを見せる日本

冴えない漫画家アシスタント·鈴木英雄(35)
都内のボロアパートで彼女と同棲中だが、いつまでも漫画家の夢を捨てられない英雄に嫌気。別れの危機。
冷静になった彼女の和解を求める電話に応えて徹夜仕事明けに家に戻るなり、様子のおかしい彼女に襲撃に遭う。

死闘の末にその場を離れるとそこらでZQNが蔓延していることを知る英雄。
パニックの最中、偶然出会った女子高生の比呂美と共に「ZQNウイルスは高地では死滅する」という噂を頼りに富士山を目指す…
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原作は読んでませんが、日本で大型公開でパラサイトものって珍しいのか?と気になり鑑賞。


さっそくアパートでの英雄とZQN化彼女との攻防。
日本ならではの閉塞感に恐怖心を煽られ早くも独自性出てますやん、と興奮。

そんでもって、日本人のゾンビとなると同族から生まれたものだからか外人よりもグロテスクに映る。
近くに座ってたゴア描写(と呼ぶほどグロくはないか)に慣れてないと思われるティーンは目を覆いながら観てましたよ。


更には三軒寺(練馬)の歩道橋
(英雄が自衛隊の大型ヘリを見上げる場面)
馴染みのある場所出されると弱いのは人の性、テレ東ヨイショなギャグ等もいちいちツボに突き刺さってきた。




そういうワケで 序盤こそ大興奮状態でしたが、その後はゾンビ映画の定石を踏む展開。
多少は縦の絵があった都内を抜けた後は横の絵が多くなったのでスケールが縮小したようにも見える。

それでも尚、この作品ならではと言えそうなのは 銃社会ではないことと赤ちゃん噛まれたことから(?)ハーフゾンビで飼い猫状態になった比呂美ちゃん。


まず、銃社会ではない日本でたまたま猟銃免許を持っていた英雄がクソ効率の悪い銃でコツコツとゾンビを倒し、地道に生きることの格好良さを結末に持ってくるところ。
この点は良い意味で地味で渋くて、日本人らしいと感じる。

終盤の英雄の仁王立ち
「さすがに今回の役で大泉洋が格好良く見えるワケが…あったー!!」
ってな具合に清々しく掌返ししてしまう場面だった。


続いてハーフゾンビの比呂美ちゃんについて。
この設定で差別化していくのかい?と思ったら映画では語られず終い。

原作では謎が明かされていってるのか知りませんけども、映画のアイアム ア ヒーローを観に来た身としては「あれは原作で拾える伏線なのか?映画ではわからず終いだったからって原作にある情報だから文句言うのは野暮なのかな…」と、変な気を遣わされた時点で面倒臭かった。

他にも「この世に未練はないから」とワケありな実生活を匂わせた比呂美ちゃん、ドロドロした組織、看護師時代に追い詰められた藪についても気になる。気になるよ…
そんな仕上がりだったので「原作に誘導するための壮大な試し読み」という印象になってしまった。



この煽りで漫画読んだら負けじゃないかと思ってしまう。(めちゃくちゃ読みたい)
不満はありますけども、ラストは最高。
今時いるわけがない男勝りな藪から漂う浮世離れした空気感が癒しだった。ああ!煙草がうまそー!!
GUMI

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