ゾンビ映画は世の中に腐るほどあります。世界各国で撮られてることもあり、 1つのジャンル映画としてのハードルは高いと思います。
そんな中今作は日本のゾンビ映画の基準となるといってもいいほど素晴らしい出来栄えでした。
特筆すべきは劇中最初のZQN感染者として出てくる英雄の恋人（片瀬那奈）の姿。ゾンビ映画において、ゾンビの登場シーンは特に重要で、今までのゾンビ映画を経験していればゾンビならこんな感じというイメージが多くの人にあると思います。それが今作ではそのイメージをはるかに凌駕する気持ち悪さと印象を強烈に与えてきます。画面にまじまじと映るその姿は直視し難いものです。また、ゾンビの描き方も面白く、大抵ならゾンビは一括りにされがちですが、この映画では個性に富んでいます。異常なほどクネクネしたり、高飛びしたりなどゾンビ毎にアクションの幅も広がり楽しませてくれます。
世界がひっくり返るようなことが起きてるにもかかわらず変わることできない英雄の姿、そしてそれを乗り越えることができた時の英雄の姿に、「ひでお」から「ヒーロー」への変化を垣間見ました。ロッカーでのしつこいまでの葛藤場面と一歩を踏み出した後の場面は特に良かったです。
1対5くらいなら観なくもないかもしれませんが、あの数を相手にひたすら逃げもせず殺しまくり、文字通り血の海と化した場面のカタルシスは中々のものでした。
原作漫画のこともあって、ひろみ（有村架純）の描き方（特に後半）は賛否あるとは思いますが、それを忘れさせるほどの興奮材料が詰まってました。
ゴア描写も日本映画では中々観られないクオリティ。苦手じゃなければエンタメ性抜群で間違いなくお勧めできる映画です。
