アイアムアヒーローのばんばんのネタバレレビュー・内容・結末

ゾンビものの物語のパターンのひとつはウォーキングデッドに倣って蝿の王をやりたいのかなあって思いつつみてました。
生きるか死ぬかの闘いしかない世界で剥き出しになる本性みたいなやつ。刺激的な殺戮もゾンビならOK、主人公の成長とかそういうの描けばおもしろいという縛りのある中で、どのような（本性）を描くのかとかサバイバルの方法とかで作品そのものの特色をつけていくのかなあ、と。

で、アイアムアヒーローはしょぼしょぼのおじさんになりかけの主人公が逞しくなっていく感じに、しょぼしょぼの読者に夢と希望とわくわくを与えるとか、ゾンビが生前の記憶を残した行動をとるとか（だからめっちゃ素早いやつもいっぱいいる）、それからの何も持っていないいつ死んでもいいよって女子高生が主人公を大切に思ってた気持ちだけが残ったとか、リーダー気取ってたお坊っちゃんのヤバさとか、盛り沢山で面白かった。ここをおもしろく盛れるかどうかってすごいよなあ。

あと、一番好きなとこは、生き残りチームがお互いをテキトーなあだ名で呼び合うのを強制？するとこね。
ヒトとしてみなさない、人格を無視したグループであるというのを表しててすごいなあって思った。
殺した仲間の死体がゾンビに食われずに、腐りもしないよういつまでも残るように焼いてオブジェ化して見せしめにするとことかも、よく考えているなあと思ったよ。
まあ、ゾンビものはそれほどみてるわけではなく、結構既出なのかもしれないけど……。