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シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのkunicoのレビュー・感想・評価

3.7
観ればお腹も心も満たされる、無条件ハッピームービー!

これは観客の摂食中枢を刺激する極上のグルメ映画であり、自然と体が動き出すラテン音楽で彩るロードムービーだ!

疲れや悩みを一気に吹っ飛ばす威力のある「シェフ」
ストーリーは主人公がドン底の状況から始まる。
意見の合わないオーナーと日々衝突を繰り返すシェフのカール。
別れた女房との間に一人息子がいるが、仕事の忙しさを理由に中々構ってやれない。
ある日料理評論家が彼の料理をネットで酷評し、その記事はTwitterで大量拡散されてしまう。
そこでSNSのSの字すら知らない彼は、おませな息子の助けを借りてTwitterに登場。
リツイートやリプライの意味がチンプンカンプンなカールは、そこで評論家に喧嘩を売るツイートをしネットを大炎上させてしまう。
それが原因で店を辞めたカールは、シェフとしてのスタートの地であるマイアミに戻りフードトラックを買うのであった、、

てな感じで、この映画で物凄く目立つのがSNSの存在。
Twitterを知ったことで少しずつ歪んでいくカールの生活。
店で彼がわめき散らした本音は、多分いろーんな有名人が思っていることで、それをアツく代弁している姿が迫力あった。
しかし息子のSNSの使いこなしも凄い。
フードトラックの宣伝部長という名称がぴったり。
要はTwitterなんてものに振り回されてしまう人間の滑稽さと、それは使い用によっては自分にとってプラスに作用するものなんですよということを表現している様に感じた。

初めから30分辺りで既にカールは不幸の真っ只中にいるんだけど、それ以降が運気上昇の一途をたどっているのが物足りない気がした。
新しくフードトラックを始めたことで起こる出来事が全てハッピーなことばかりで、そこでの主人公の苦悩や成長が無かったのは御都合主義というか何というか、そんな上手く行くもんか!?と。
ただ、そんなこと全く気にせず、捻くれずに観れば最高に楽しい映画。
というか、それなのにこんなに楽しく観終えてしまえる映画なのが凄い。

カールという人物も魅力的で、自分がどんなにしんどくても仲間を思いやる優しさと、料理人として真摯に息子に向き合う真っ直ぐさを持ち合わせたイケメンだ。
だけど、美女で周りを固めすぎでしょファブロー監督ゥゥ!!!笑
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