マクガフィン

味園ユニバースのマクガフィンのレビュー・感想・評価

味園ユニバース(2015年製作の映画)
3.5
記憶喪失の主人公(渋谷すばる)が、とぼけた顔と口数が少ないことで、たどたどしさが漂い、音楽を引き立てることに。

音楽を軸とし、歌による周囲への推進力や記憶への駆動力を一貫することで、音楽で繋ぐパワーをさり気なく描くこと。また、ミステリーや舞台装置のアイテムが大した意味を持たせないことで、音楽を映えさせること。更に暴力のパワーが音楽へ呼応するようで、熱量が溢れることに。〈受け〉の立ち位置で、ヒロイン(二階堂ふみ)が導びく牽引力と、繋ぎとめているバランスも良く、抑制された演出で台詞やプロットを削ぎ取って音楽に集約したり、音楽を殺さない構成に感心する。