佐藤でした

百円の恋の佐藤でしたのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
3.9
親のすねを丸かじりしながら自墜落な生活を送る一子。妹が離婚を機に実家に帰ってきた初日から、殴る蹴るの大ゲンカになり、一子は勢いで家を出る。アパートの家賃を賄うには、行きつけの100円ショップで働くことにした。いつもそこで大量のバナナを買っていく男はボクシングジムのひとだった‥。

まず、店内で流れる“店名連呼ソング”がすごい。ヘタウマな歌い手の絶妙な人選。百円、百円、百円生活、安い、安い〜‥って耳にこびりつく。

お店には、延々しゃべるウザい先輩、ときどきトリップする店長、重箱の隅しかつつかない店長代理、廃棄弁当をくすねるオバハン、マジスカしか言わない新人、、こんな人たちしかいない。

一子も一子とて、ジャージ姿でズルズルとだらしなく街を歩いている。しゃべっても滑舌が悪く聞き取りにくいし、髪の毛は伸びっぱなしだ。

画面には邦画特有の気だるさと湿気のような質感が充満していて、一子を見ていると、こちらまでなんだか嫌んなっちゃってくる。

とあるスパークの瞬間を迎えるまでは‥。


あえて呼び捨てにしますが、安藤サクラがめちゃくちゃカッコイイ映画。役者として、女として、人として、右にも左にも振り切っていた。

‥光が一番よく当たるハイライトの舞台に一子が立った時、思い出されたのは、汚い部屋でテレビゲームをしていた姿。
ハイライトを迎えたからこそ、暗闇だった時間にスポットライトが当てられるんだ。