昨今亭新書

百円の恋の昨今亭新書のレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
5.0
安藤サクラほどやさぐれた女が似合う女優はいない。『万引き家族』とはまた違ったダメ人間の悲哀、その中の美しさに泣かされました。

タイトルに「恋」とある割になかなか色恋の話が出てこない。そのうちに取り返しのつかなさそうな展開になって、観ているこちらはヒヤヒヤ。ただ堕ちるところまで堕ちたからこそ、その後のカタルシスは文句なしの爽快さです。

登場人物がクズばかり(少なくともいい人間、とは言えない)ので最初は気が滅入るような話が続きますが、そんな人たちのほんの一瞬の輝きが持つ爽快さを教えてくれる映画だと思います。個人的には100円ショップの元店員のバアさんが最高。