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百円の恋の2TBBのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
4.3
これまで生き甲斐も、目標もなかったニートが場末のプロボクサーに出逢い自分を変える奮闘記がはじまる。
主役、安藤サクラに脱帽。
この映画の感想はこれに尽きる。
ダメダメな引きこもり生活を送る安藤サクラ。その風貌はどこまでもだらしなく引きこもり生活の代表とも取れる出で立ちで、たるみにたるんだ体の肉。
濁った瞳。
ボサボサの頭。
家を出るのは深夜。飲み物とスナック菓子を買いにコンビニに行く程度。
その途中にあるボクシングジム。
それが彼女のルーティンだった。
ところがある日、妹と喧嘩。親とも上手く行かず、意を決して家を出ることを決める。
一人で生活する為に深夜のコンビニでバイトを始める事となる。
慣れない仕事。
仕事を始めてもやり甲斐もなく、目標もなかった。
ある夜、男がバナナを買いに来る。
ところが男は買ったバナナを全部忘れて行く。
安藤サクラはバナナを届けに行くが、突然男からデートに誘われる。今まで異性を意識したことはなかったが、最大の着飾りをしてデートに挑む。
後日、また男がやって来てバナナを買う。
持ち合わせが無い。と男はボクシングの試合のチケットを2枚置いて行く。
店のベテランオヤジと観戦に行くのだが、初めてボクシングの試合を観て彼女の中で何かが始まった。
人間、やる気になれば何でも出来る。
何にでもなれる。
そんなメッセージを感じました。
中盤くらいまではあまり変化は感じられず、ダラっとストーリーは進んで行くが、終盤に差し掛かった辺りから安藤サクラの表情やメンタル、体の変化に度肝を抜かれる。
役作りで引きこもりのキャラクターを見事に作り上げ、ボクシングに出逢いプロボクサーになってからの彼女は、引きこもりだった事を感じさせないスポーツマンになっている。
最後の試合シーンでは細かい演出が少し気怠く、もう少しシンプルでもまとまる気もするが、安藤サクラの〝眼〟に着眼し、全てが色んな意味で変わった事を伺える。
ここまで気持ちの良い作品は珍しく、また観たいと思わせてくれる作品だ。