ずん

百円の恋のずんのネタバレレビュー・内容・結末

百円の恋(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

最高かよっ!

安藤サクラさんの名演技と渾身の肉体改造に拍手喝采!

主人公の一子は30も過ぎて引きこもり、自堕落な生活を送っていた。

ある日離婚して実家に出戻りした妹と大喧嘩し、半ばヤケクソで一人暮らしを始めることとなる。

いつも夜な夜な通っていた100円ショップで深夜のアルバイトを始めたが、ある日の出会いをキッカケに一子の人生が大きく動き始める…!

出だしの安藤サクラさんの干物女っぷりが凄いんです!

シミの付いたTシャツにだるだるのズボン、髪の毛はいつ美容院に行ったのか不明なほど伸びきったプリンっぷり。

冒頭、ズボンからはみ出た腰肉をポリポリする仕草はこれでもかと言うくらい堕落した女性を演出しています。

またバイト先の登場人物も、本当にいそうなリアルなキャラクター達がいい味出していて!

一方的に話してくるおじさん(後に強姦でお縄)や、被害妄想の激しい廃棄弁当ちょーだいおばさん(後に強盗して逃走)など底辺と言われてしまう人物達が一子を取り巻ます。

一子がちょーだいおばさんにどうしても手を差し伸べてしまうのは、自分と近い存在だと無意識に感じているからなのでしょうか?

家からバイト先へ向かう道中にポツリと佇むボクシングジム。

そこで汗を流す狩野という男性の姿に魅了され、コンビニでのある出来事をキッカケにデートしたり体を重ねるようになるが、一子がボクシングに心を燃やし始めると狩野は何も言わず去っていくのだった…。

前置きが長くなりましたが、この狩野との出会いで一子がボクシングに目覚め出してからが凄かったです!

最初は趣味程度のつもりが、後々大会に向けて日々トレーニングを積み、最初は死んだ目のようだった瞳に闘志が宿っていく様でした!

もう冒頭の痒い腰肉はありません!
フットワークの軽くなった安藤サクラさんの引き締まったボディーにビックリ呆然です!

ラストの試合はボコボコだったけれど、私には一子は自分自身にようやく勝利したんだなと感じました。

人は誰でも自分より下の人を見つけて安心していたい。
誰かが頑張っている姿は自分が惨めになるので見たくない。
一子のから離れていった狩野がその例ですね。

でも何かこれだけは頑張れる、負けたくない、一生懸命になれるってものを見つけて、自分より上の人を視野に入れる事が出来るようになったら、人は始めて成長出来るんだって事をこの作品を通して深く感じました。

長くなりましたが、私はこの人間臭い作品、まだ観てない方に是非オススメします!


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ずん

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