最初に予告を観た時はなんというか日曜日の朝の、小さなお友達がヒーローに憧れるタイプの番組みたいな(或いは大きいお友達もヒロインの太ももに憧れるような)、そんなチープなCGからなる映像だったんで当然期待などしていなかったわけですよ。
テーマはそんな事じゃなかった。
「原発へのヘリ落とし」というの多くの人が極力触れないようにしている話題を、こういった活劇に使うのは流石にどうかと思っていたんですけども、そんなものは見せかけで、訴えるテーマはもっと深いところにあったという。
『太陽を盗んだ男』のようなアナーキーな作品とも違う、見事なまでのグレーゾーンに着地する展開。
そもそもこんな作品が1995年に書かれた原作って言うんだから恐れ入ります。
CGなど映像が最後までショボいのは仕方ないですが、ドラマ部分のパートはなかなか素晴らしく、堤幸彦監督がいつも盛り込んでくるシュールなネタが一切ない硬派な出来栄え。
ラスト付近の本木さん扮する原発技術者・三島の独白や、エラーを表示する端末に、不思議と得も言われぬ憂虞を感じる秀逸な作品なので、「ビッグBてwww」とか「錦重工てwww」などと茶化さず、機会があればご覧になって頂きたいと思うところです。