ミア

天空の蜂のミアのレビュー・感想・評価

天空の蜂(2015年製作の映画)
3.8
堤監督の映画作品はあまり好みではないのだが、これは好意的に観れた

アバンタイトルは、カメラが揺れる堤監督っぽい撮り方が嫌だなあとか(不穏さを表現しているのだろうが)、子供が機内に取り残される経緯が強引だとか、母親の演技が素人っぽいなあとか(狙ってやってるのだろうが)、色々気になる点があった

アバンで没入できなかったせいか、タイトル後もなかなか話に入り込めなくて、展開が急というか、急に過去話が入ってきたり湯原の懺悔があったり、ダイジェストを見せられている印象を受けた

また前半は作戦会議シーンが多いのだが、いまいちリズムが悪く、優秀な人間が意見を出し合って一つの解を導くカタルシスみたいなものがもっとあればよかったと思う
堤監督はプロジェクトX的なカタルシスを描くことに興味がないのか、できないのか、どっちなんだろうと疑問に思った

ただ、子供の救出作戦以降はテンポ良くハラハラする展開で、物語に入り込むことができた

無謀な闘いに、勝てないとどこかでわかっていながらも命をかけて臨まざるをえないというやや大袈裟な犯人たちの行動は、遅れてきた全共闘世代である堤監督らしい描写だなと思う

3.11をどう描くか、という課題へのアンサーとして、シン・ゴジラと対比させたら庵野監督と堤監督の作家性が明らかになって面白いんじゃないだろうか
というか、シン・ゴジラ以前にきちんと3.11と向き合ってる大作映画があったことに驚いた
ミア

ミア