OASIS

突破口!のOASISのレビュー・感想・評価

突破口!(1973年製作の映画)
3.7
銀行を襲撃し大金を奪った三人組だったが、その金がマフィアの隠し金であった事から殺し屋に追われるという話。

銀行職員や警察官二人を撃ち殺し、パトカーを次々とクラッシュさせ逃げ去るというオープニングの強奪劇からテンション高めのスタート。
その後、三人組の一人である夫婦の妻が撃たれて死亡。
彼女を利用して事故死に見せかけ車を爆発させるというド派手な証拠隠滅を敢行するワイルド過ぎる二人。
と思いきや、暴露そうになると歯医者に忍び込みカルテを盗むという細かさも見せて綱渡り的に逃走を始める。

どんな時も警戒を怠らないチャーリーと、「俺三食ステーキが喰いてぇ」とクズっぷりが清々しいハーマンのコンビが、最初っから「この二人絶対仲違いするに決まってる」と思わせ展開の読み易さはあるものの、チャーリーの用心深さ・危険察知能力が異常に高くて中々ピンチにはならない。
チャーリーが訪れる鉄砲屋の男店主やパスポート偽造屋の女など、少ししか出てこないにも関わらず裏に多くの腹蔵を秘めているように感じさせるキャラクターも味わい深さがあった。

そして、マフィアの雇った凄腕の殺し屋モリーが頗る強い。
「ノーカントリー」のシガーばりに主人公達を追い詰め、ハーマンを見つけ次第ボッコボコにする腕っ節と恰幅の良さは単純に恐怖なのだが、それを機転のきく頭脳でいなしてしまうチャーリーとのバトルも熱い。

派手なアクションシーンは冒頭とエンディング付近しか無いものの、それぞれが驚きとドラマに彩られていて最後まで飽きさせない工夫が随所に感じられる映画だった。
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