高山佑貴

二十一世紀の起源の高山佑貴のレビュー・感想・評価

二十一世紀の起源(2000年製作の映画)
5.0
「ゴダールの映画史」がぎゅっと詰まったような短い映画。
二十世紀の爆発的な文化の変化と、語ることすら難しい戦争の悲劇、二十一世紀を作り上げた二十世紀という時代の、あまりにも凄まじい熱が、音と静寂、何かの訪れを予感させる音楽、哲学、そして、異様な密度の映像コラージュにより映される。
最後の制作者テロップがゴダールの名前も含め、スペースを排し、すべて大文字で書かれ、個々の名前を読み取るのが困難になっている。この映画も、映画全て、文化全て、人間全てが、このテロップやこの映画のように個などなく入り混じっている。
この世で自分が最も好きな映画。宇宙人に最初に見せるならこれ。