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JOYのperoのレビュー・感想・評価

JOY(2015年製作の映画)
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今年1番かも!

航空会社のカウンターで働くジョイの家には2人の子供とテレビ依存症の母親、働かない元夫と彼女から追い出された父親と、1番の理解者の祖母がいた。
その生活は金銭的にも精神的にもギリギリだったが、ひょんなことから手で触らなくても絞れるモップを思い付く。
それを商品化するために、借金を重ねて家は二重抵当に…どん底のジョイは祖母が言ってくれたように成功できるのか?

と聞くとよくあるサクセスストーリードラマなんでしょと思うでしょう。実際私もそう思っていましたよ。
でもねぇこの映画監督、脚本がデビッド・O・ラッセルなんですよ。

え、知らないって⁉︎

古くはジョージ・クルーニー主演の「スリー・キングス」、無かった事にされているジュード・ロウ主演の哲学コメディ「ハッカビーズ」、その年の映画賞を総なめにし、クリスチャン・ベールがガリガリジャンキーセコンド役でアカデミー助演男優賞を取ったボクシング映画「ザ・ファイター」、ジェニファー・ローレンスにアカデミー主演女優賞をもたらした「世界に一つのプレイブック」、そしてまだ記憶に新しいFBI内幕ドタバタコメディ「アメリカン・ハッスル」で受賞は逃すもアカデミー賞に10部門ノミネート(ゴールデングローブ作品賞は受賞してる)。

と、とにかくアカデミー賞常連監督。

けれど、彼の作品はいつもどんなにシリアスなドラマでも重厚にせず、下手な監督がやるこれでもかとお涙頂戴にせず、ちょっと肩の力が抜けていて心地いい。
底にある皮肉とテンポの良さでグイグイと引き込まれてしまう。

もちろんこの映画もご多分に洩れず、一癖も二癖もある皮肉な人物達に取り囲まれた主人公が苦労する話で2時間ちょいあるのに、勢いに巻かれてあっと言う間に終わってしまう。

俳優に厳しい事で有名で、ハリウッドの問題児と言われたデビッド・O・ラッセルも最近はコンスタントに作品を作っているから丸くなったのかなぁと思いつつ、「ザ・ファイター」以降は実在の人物や事件を元に自ら脚本を書く作品作りでますます面白くなってきている。

歳とって練れたのねぇ。

個人的には「スリー・キングス」のようにコメディに社会派を混ぜた作品をまた見たい。

「ジョイ」元気の出る映画で、万人におススメです!
クリスマス映画だからみんなで見られるよ。
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