文化系のルーザーもの。
ということは巻き返しがある、一発逆転がある、勝利する。
基本プロットが充分面白い。けどありきたり。
そこんとこを「音楽」という魔法を使ってとびきりよいものに仕立てあげてある。
う~ん、最高。
「音楽」が人生を支えるたいそうなものとしてでなく、ありふれた日常に自然にある何気ないものとして、または生活の一部として。
けれど「音楽」があったからいつもより3割り増し(数字に根拠なし)よかったみたいな。
「音楽」にがっつり関わる主人公らは最初どえらい仕打ちを受けて打ちのめされる。けれど彼、彼女が出会う橋渡しをするのも「音楽」。彼、彼女らの人となりをお互いわかりあえる橋渡しをするのも「音楽」。
映画好きが互いのベストテン聞いて、あ~あなたそうゆう人なのねーと性癖まで知れてしまうのと同じようにプレイリストを聞き合うというのはよくわかる。
そして、勝負にうってでる時の武器としての「音楽」。
街中で録音して回るというネタ自体はとびきり新鮮でなくてもここは安定の心地よさと面白さがある。
とにかく、監督は「音楽」という楽しい愉快な「味方」に愛されているし、信頼してるのがわかった。
今後は表現の幅に挑戦するとか言って無音の映画とか撮るなよ!