指の小指

はじまりのうたの指の小指のレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
5.0
監督ジョン・カーニーの2015年作品。
傷心のままバーで歌うことになった女性シンガーとそこに居合わせた落ち目の音楽プロデューサーの物語。

マーク・ラファロとヘイリー・スタインフェルド、MCUではまだ出会っていないハルクとケイト二人の共演やMaroon 5のアダム・レヴィーンは勿論、Mos Defことヤシン・ベイの出演も嬉しい。

アコギ一本を聴きながら、一瞬ファンタジー映画だった?と錯覚する、イメージの中で曲に肉付けしていくシーンは痺れた🥁🎹🎻

グレタが徹頭徹尾売れようとするのではなく、真摯に音楽に向き合っているのが凄く伝わってきたし、スティーヴをはじめとする良き仲間がそれを支えてくれるのが嬉しくなった。
切り口を変えてグレタの曲をデイヴがライブで演奏する構成、それに対し彼女が出した選択も肯定してあげたい。

オリジナル&既存楽曲の挿入歌も素晴らしく、個人的には“踊らずにいられない”スキップワース&ターナー「Thinking About Your Love」の流れるシーンが好き😊

プレイリストをお互い見せ合い、スプリッターを使って爆音のクラブの中、二人だけの音楽で踊る特別感。そして最後のレコーディングの多幸感はこの作品の白眉。

“音楽の魔法だ、平凡な風景が意味のあるものに変わる”

これってまさに映画にも通じる話だと思う。いつもこの魔法を体験させてくれる映画に感謝を。

本当に音楽愛に溢れた傑作でした。


エンドロールの「兄ジムに捧ぐ」は本作完成前に亡くなった監督の兄への言葉。ダンのキャラクターにも彼は反映されているそうで、それを知ると「シング・ストリート 未来へのうた」の兄ブレンダンの見え方が“良い兄貴”から更に深いものになりました。
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