森野c5果実

はじまりのうたの森野c5果実のレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
4.5
「プレイリストはその人間を表す」
劇中のセリフはまさに言い得て妙ですね。
よく聴く音楽って、自分の内面や思想を代弁しているようで人様に知られるのは恥ずかしいと思ってしまいます。
でもグレタとダンはそれがサラッと出来ちゃうんです。しかもオシャレな感じに。(たぶん東京じゃ再現むずい)

グレタがライブハウスで3回歌って始まる冒頭シーンが掴みとしては最高だと思っています。
実際はグレタ1人がアコギ1本で歌っているのに、音楽プロデューサー ダンの視点ではドラム・ピアノ・弦楽器などの楽器が次々に加わって聴こえるという描写で、
「ああ 天才にはこうやって聴こえているんだ」と納得でき、観ているこちらも音楽家気分。
多くを語りすぎず、それでいて「そういうことなのね」と腑に落ちるのは監督のセンスの良さを感じます。

こういう男女がタッグを組む系の作品はどうしても恋愛要素を絡めがちですが、そのあたりのさじ加減も爽やかでした。
悩んでいる者同士が音楽を通して新たな一歩を踏み出す前向きさと、良質な音楽が楽しめるお得な作品です。

音楽好きも、そうでない人にもオススメ。
森野c5果実

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