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はじまりのうたのako4uのレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
4.8
ジョン・カーニー映画にしかない魅力が今回も全開!
彼の映画のなかで、アーティストたちが音楽を奏でる姿に、なぜかいつも超泣ける
その前後のストーリーがどうとかじゃなくて
奏でる姿が輝いて見えて、聴こえる音楽が胸いっぱいに響いて、泣ける

ジョン・カーニーだもの、予想通り、今回も音楽はめちゃくちゃいい
特に好きなのは
屋上で録るシーンの『Tell Me If You Wanna Go Home』
空にのびていくバイオレットのベースの音、イキイキ楽しそうなアンサンブル、「うるせぇぞ!」と怒鳴るご近所の声
もちろんアダム・レビーンの唄う『Lost Stars』はヤバい
あと、スラムで録ってた『Coming Up Roses』も、遊んでいた子どもたちのコーラス、パトカーのサイレン、洗濯物の干される路地の風景もなぜか素敵に見えて、とても好きなシーン

スラム、地下鉄、セントラルパーク…ニューヨークの街角で、その喧騒ごとまるごと音楽にしていく
架空の企画なのに、本当にわくわくしました。そんなCDがあったら 買ってしまうな


音楽シーンだけじゃなくてストーリーも、いつもどってことないストーリーなんだけど、シビアで、でも希望は忘れないで、いい物語だなって思わされます

今回は特に、エンドロールで話が転がるのがよかったです
クリックしたあとの、はじけるようなキーラ・ナイトレイの笑顔
その音楽をこの世に産み出したアーティストの取り分が 10ドル中1ドルという、音楽業界への抵抗
かっこいーぜ
あと同じエンドロールに出てくる、演奏時のバンドの写真が超素敵


グレタの弾き語りを聴いて、ダンの頭の中でドラムやピアノやバイオリンが唄い出すシーンがあったじゃないですか
アーティストのインタビューとかで、アレンジってよく聞く言葉だけど、こーいうことなのかなー、音楽プロデューサーの頭の中ってこーなのかなー
と 印象に残りました


あと、絶対踊りたくなる音楽をかけてけしかける〝踊らずにいられるかゲーム〟
いつかなにかの機会にやりたい(笑)
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