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はじまりのうたのunOのレビュー・感想・評価

はじまりのうた(2013年製作の映画)
4.5
成功への足掛かりを掴んだミュージシャンの恋人デイヴと共にイギリスからニューヨークへ移ったシンガーソングライターのグレタが、デイヴの浮気により破局した後に失意の中で行ったバーでの歌唱を落ち目のプロデューサーであるダンに見出され、アルバム制作を持ちかけられることで始まる物語を描いた、ジョン・カーニー監督作品です。

当初は全米で5館のみだった上映が瞬く間に人気を博して1,300館にまで広がったヒット作で、監督自身の経験から着想を得た音楽による再生の物語をキーラ・ナイトレイとマーク・ラファロらで描いており、音楽の力を信じる作り手たちだからこその丁寧で繊細な音楽描写が観る者の胸を打つ、とてもハートウォーミングなドラマ映画です。

誰かひとりのことを想うプライベートな感情がメロディとなる瞬間、それが別の誰かの心を打つ瞬間、それにリズムが加わり楽曲となり演奏者達のアンサンブルによりその効用が爆発的に跳ね上がる瞬間、そしてそれが人々を熱狂させる瞬間。そんな傷つき彷徨える魂という「音」たちが集うことで「音楽」を成す美しい瞬間で彩られた一作です。