コマミー

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛のコマミーのレビュー・感想・評価

3.9
【肖像画の裏で】

「ブーリン家の姉妹」、「マンデラ」のジャスティン・チャドウィックの監督作。日本では、「鎖国」や「出島」で有名な[オランダ]を舞台に描く。

スペインから[独立]したオランダは、ある二つの物が、[一大ブーム]となっていた。 
 [チューリップ]と[絵]だ。
この二つは、特に高値で取引され、尚且つ人々を[狂わせた]。
孤児院から[無理矢理]、[貿易商の妻]にさせられた[ソフィア]。年は[離れている]し、セックスをしても、彼が高齢であるため、子供が[授からなかった]。そんな夫の[コーネリアス]が、自分達の[肖像画]を描かせようと、ある画家を雇う。[ヤン]だ。彼は、なかなか絵が売れない画家だった。そんな彼を呼び、絵を描くが、彼は特に目を止めていたのが、ソフィアだ。ソフィアも最初は、毛嫌いしていたが、次第に一目惚れしてしまう…。

チューリップを中心に、交差する[不倫]、[横領]、そして使用人の女性の[妊娠]。それらをこの作品は、時折[チャーミング]に表現し、次第に[泥沼化]していく。複雑な恋愛模様のこの作品を、初めを[明るく描き]、次第に[ゆっくりと暗くする]ことにより、非常に見応えのある作品に仕上げている。

劇中に出てくるチューリップの品種の中に、特に[希少価値な品種]のチューリップが出てくる。実は、これを元凶で、よりもっとおかしな展開になる。そこから、より暗く表現されている。
ヤンと結ばれるために、あらゆる手を尽くすソフィアの[狂気]というものも、感じさせる作品でもあった。

肖像画の裏で起きていたこと、それは、愛と[富]を手にするために、人々があらゆる手を尽くすために、[外からの優しさ]を捨てた、女と男の、[争奪戦]が繰り広がれていました…。

その先に何が起ころうとしても、手に入れたい…。

そんな[狂気の渦]が、立ち込めてたのかもしれない…。
コマミー

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