ニシカ

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛のニシカのレビュー・感想・評価

4.0
ゲス不倫で両成敗と思いきや、
まさかのマジカルエンディングへ。

17世紀オランダが舞台。
花の色によりチューリップが高値で取引された世界最古の経済バブル、“チューリップ・フィーバー”を背景に、修道院で育った若い女ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)と年の離れた夫で富裕層商人コルネリス(クリストフ・ヴァルツ)、その夫婦の肖像画を描く若き画家ヤン(ヴァレリアンでお馴染みデイン・デハーン)はソフィアと激しく惹かれ合う。感謝はあるが愛の無い老夫との子作りと愛し合う芸術家との動物的で官能的なセックスが対比的に重ねられていく。

夫婦に支えるメイドのマリア(ホリデー・グレインジャー)は魚売りのウィレム(ジャック・オコンネル)との純愛を育むがチューリップの取引が元になり姿を突如消す。

ソフィアとマリアはある秘密を共有し夫コルネリスを騙し始めるたことで、運命は大きく舵を切り始める。



フェルメールブルーとレンブラントの光と影を彷彿とさせる絵画から抜け出してきたような中世オランダの世界で愛を獲る為にチューリップフィバーへ飲み込まれていく男達とまだ自由が然程無かった時代の女達の直ぐに合体なラブストーリー。


その結末は以外な未来を持って幕を閉じる。







ちょっとネタバレしますのでご注意を。







時代の片隅で純愛を貫いたメイドのマリアが全てを手に入れて輝いた未来にいる。

それぞれの未来にわずかな希望を含ませた、ある意味で想像を超えたエンディングだった。
これを良し悪しにするのは観た人それぞれの価値観ですね。

世間の平均評価は高くないですが、「真珠の耳飾りの少女」をオマージュした衣装や、絵画の中から抜き出したような各登場人物達の衣装・美術も、そして猥雑な街の喧騒も素晴らしい。映像の濃淡、湿度が高く暗い色味の中に刺すフェルメールブルーの美しさ。翳りの中で息を潜めるように生きながら、眩い光の中で見せるふとした笑顔など、なかなか映像美のある素敵な映画でした。

というか。
アリシアちゃんの裸もオッパイも綺麗でスレンダー美女ぶりが凄いねっていう映画でもあったので、観に行くこと決定でしょ!

カーラ・デェルヴィーニュも売春婦役で出演しており、デインとのヴァレリアンコンビが見れるのも密かに楽しめるぞ(笑
ニシカ

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