Kota

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛のKotaのレビュー・感想・評価

3.8
“皆、人の命より遥かに短い花の狂気の虜となった。”

17世紀チューリップの値段がありえないほど高騰していたオランダが舞台。孤児院で育ったソフィア(アリシアヴィキャンデル)は裕福な商人のコルネリス(クリストフヴァルツ)に妻として引き取られる。後継の息子を作るために努力していたが中々恵まれないそんな中、若き画家ヤン(デインデハーン)の登場により狂気の物語は動き出す。

兎にも角にもデインデハーンの魅力が凄い。ミステリアスな若き画家を演じる彼をスクリーンで観れるだけでも価値がある。17世紀オランダの世界観を堪能する暇がないほどストーリーはテンポが早く飽きがこないし、クリストフヴァルツ、ジュディデンチを始めとする大御所の演技も素晴らしい。(カーラデルヴィーニュもチラッと出演してて、デインと共に宇宙旅行始まるのかと思った(笑)。)

チューリップの為に命や財産をつぎ込む事が題材になっているけど、この映画の本当のテーマは“一瞬の美しさや情熱“に身を捧げる人間の愚かさ。ソフィアの浮気も、ヤンのチューリップ売買も、ヤンの親友が酒に溺れた事も全て結局同じこと。最後は綺麗に締め括られたけど、かなりメッセージ性に富んでいて面白かった。デインデハーン出演映画で久々に当たりという感じ。
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