しちれゆ

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛のしちれゆのレビュー・感想・評価

3.8
文芸作品の皮を被った色情狂物語
孤児院から裕福な商人コルネリスの後妻となったソフィアは画家ヤンとの色恋地獄に落ちていく。それにしても酷い、利用できる人間は全て利用し優しい夫を欺き、ヤンと一緒になる為なら他人なんかどうなっても知るか!的なゲスっぷり。そして死んだふりの柩から出るやいなやの心変わり、はぁ?!「もう気持ちはないと伝えて」だと?!いやはや~まるでサスペンスなソフィアの行動、でもここまでいくと映画としては面白い。
そして脇を固める人たちがとても良い。
海千山千の修道院長(貫禄のジュディ・デンチ)、「孤児院から抜け出すには金持ちと結婚するか娼婦になるか」彼女、ソフィアの他にも孤児たちを結婚させてお金を取っているんだろう。
好きだったのは女中マリア(ホリディ・グレインジャー)つやつやとしてパンと張った肌が健康そのもの、働き者で愛に一途で逞しく自分の力で人生を生きている。ソフィアの夫の計らいで屋敷を手に入れて優しい夫と可愛い子どもたちに囲まれて幸せを手に入れた。神さまはちゃんと見ているのだなあ。
最後、賑やかな食卓の場面では(私の見たところ)子どもが6人もいてやっぱり多産系だったのね、マリア!って拍手しましたー!まだまだいけそう!
しちれゆ

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