うめ

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛のうめのレビュー・感想・評価

3.8
世界初のバブルにわくオランダ
一つのチューリップの球根が莫大な金を生むという恐ろしさ
翻弄される人々

孤児院で育った美しきアリシア・ヴィキャンデル
己を捨て
子を望まれ
報われぬ
そんな彼女から溢れ出す情念
「光をくれた人」
「リリーのすべて」
不思議と濁りがなく
純粋さが感じられる
ブルーのドレスに包まれた姿はため息が漏れるほどに素敵だった

そして
恋に落ちる若き画家デイン・デハーン
はっきりした顔立ちながら
こちらも
あまりアクはなく
真面目な性分がにじみ出る
「ヴァレリアン」
何か突き抜けた個性が出てきた時
化けそうな気配がする

しかし
絵になる二人の愛も良かったが…
アリシアを後妻に迎える富豪ヴァルツが素晴らしすぎた
燃え盛る勢いこそないものの
傷を負いながら生きてきた
彼から差し出される
穏やかで深い愛の形
それは自分だけではなく相手だけでもない
仁とも呼べるものだ

久しぶりのジュディ・デンチも存在感はさすがです

落ち着いたストーリーですが
大好きなアリシア
最高なヴァルツ
満足です♪
うめ

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