不良グループの強姦行為を被った少女が、自身と似たような境遇をもつ少年に接近して、心の交流を繰り広げていく。7階建てのマンション(若松プロが入っているビル)を舞台に、無軌道な若者たちの生態を描いている、ピンク映画。
少女を強姦するグループの中に、仲間に入ることができずに傍観することしかできない意味ありげな少年が混じっている。事後、被害者となる少女は、この少年に接近。まるで噛み合わないやり取りを展開させながら、人間の本質を覗き見ていく。
「コンクリートのビルから出かける」という言葉選びをして、外界に飛び出そうとするところが記憶に残る。ビルから外界に飛び出すということは、甲斐のない人生からの脱却(=飛び降り自殺)を示唆している。
「ウーマンリブ、反体制、厭世、厭人」などの暗喩をいくらでも汲み取ることが可能であり、その混沌とした精神状態が「暴力の表出」へと繋がることを教示させられる。60年代ピンクの総決算的な逸品。