岸辺の旅の作品情報・感想・評価

岸辺の旅2015年製作の映画)

上映日:2015年10月01日

製作国:

上映時間:128分

3.4

あらすじ

「岸辺の旅」に投稿された感想・評価

masa

masaの感想・評価

3.4
黒沢清オールナイトにて。
3年間行方をくらましていた夫がふいに帰宅し、離れ離れだった夫婦が空白の時間を取り戻す旅に出るさまを描く。

3年間行方不明となっていた夫の優介(浅野忠信)がある日ふいに帰ってきて、妻の瑞希(深津絵里)を旅に誘う。
それは優介が失踪してから帰宅するまでに関わってきた人々を訪ねる旅で、空白の3年間をたどるように旅を続けるうちに、瑞希は彼への深い愛を再確認していく。
やがて優介が突然姿を現した理由、そして彼が瑞希に伝えたかったことが明らかになり……

死とはなにか。
死んでも気付かずにこの世にさまよっている人もいる。その世界を不思議な世界観で描いている。
最初の小松政夫の話がもの悲しい。その後も、登場人物が出てくるたんびにこの人はどっちの世界の人なんだと推理しながら、緊張感をもって観ていたが、気付いたら寝落ちしていた(笑)

オールナイト上映は楽しいし、お得だが、物凄く眠い…笑
夫を失った現実が実感できない妻の前に死んだ夫が現れて、「別れ」を受け止める為の旅をする

再び一緒に暮らし始めた二人は
穏やかな日々を送るのだが
随所にヒンヤリとした
恐ろしさが描かれていて
こんなこと有り得るわけがない
これはホラーだ
と実感させてくれる

光と影の演出がとても上手い
4

4の感想・評価

-
愛する人の生活が戻ってきた。
日常の幸せがそのまんま描かれるのに、それがどこか特別な日々に感じられるのは彼が死んでいるからだろうか。生きている人と死んでしまった人が同じ時間を共有しているという不思議な世界が、現実の普通だと思っていた世界を特別な世界に変えてくれる。もしかしたら死んだ人が生きている世界よりも、素敵な日常が現実にはあるのかもしれない。
深津絵里と浅野忠信は多くの言葉ではなく、少ない言葉で相手を感じ取る。この密度の高い二人の間の空気感は心地良い。
しかし、不思議なほど柔らかで落ち着いた空気に満たされた物語を蒼井優の存在が大きく揺さぶる。深津絵里と蒼井優のやりとりは他のシーンとの差はあるが、黒沢清監督らしさには近づいたように見えた。
非現実的で不思議な世界の愛が、最も普遍的で普通な愛を表せることもあるよね。
オールナイトの3本目に観る穏やかな物語は夢と区別がつかなかった。

このレビューはネタバレを含みます

夫婦のゆったりした時間が流れている一方で、すでに亡くなっている夫が、いつ目の前からいなくなるともわからない緊張感も同時に流れている。不思議な感覚。
すでに死んだ人の描かれ方が、なんとも悲しく見えた。

このレビューはネタバレを含みます

ギンレイオールナイトで鑑賞。

前の上演作品での幽霊の現れ方と、似てて、思わずテレビモニターに変なのうつってないか確認したよね、、、。消え方といい、現れ方といい、ちょっとホラーっぽかった。

そして、深津絵里きれい。蒼井優がいきなり出てきててびっくりした。

このレビューはネタバレを含みます

不在と宗教の話(だと私は思った)。

「幽霊なんて非科学的なモノいるわけないじゃない!」と言いたいわけではないし、おまえはすっかり科学的合理主義に毒されていると言われればそれまでだけれど、私はこの旅はほんとうは全編みっちゃんが一人で旅している映画だと思った。
いるとしたら、と、いるという想像をして、夫を知っている人を訪ねて話を聞いて、本当だったらもう一度したかったことをして、本当だったら話したかったことを話す疑似体験を自分の中で重ねながら、死別にしろ失踪にしろ自分の前からいなくなってしまった人を自分の中で葬る話だと思った。

…って思ったけど、死んだ人だって現世に未練がある場合もあるもんなぁ。でも「死んだ人が現世に未練を残してくれている」「そして幽霊として自分の前にあらわれてくれる」というのもまた生きている人が生きていくための宗教である気もする。

物語序盤の新聞配達屋での最後の方のシーン、廃墟、埃を被った切り抜きやハサミ、そこに一枚だけ残った鮮やかな色の花、壁の切り抜きが一枚ずつはらはらと落ちていくシーンはよかった。アンゲロプロスっぽさがある。
深津絵里さんと蒼井優さんの、コンペアしたら2人がぴったり重なるような切り返し、ホラー!
演出の妙。
失踪して死んだはずの夫が戻ってくるという奇妙な設定を軸に、死にまつわる様々な人の様が見事に描かれていて、ひとつひとつのシーンの光や人の表情が生と死の間をじわりと見せる。うーん、静けさの中にゾクっとさせる演出は監督ならではなのか。
深津絵里、いつまでも美しい。
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