岸辺の旅の作品情報・感想・評価

岸辺の旅2015年製作の映画)

上映日:2015年10月01日

製作国:

上映時間:128分

3.4

あらすじ

「岸辺の旅」に投稿された感想・評価

亡霊で帰ってきた夫との旅。全く感情移入できず。
思い詰めた表情の夫婦のストイックな雰囲気のあるジャケ写とファンタジックな設定に釣られて観るとかなり肩透かしを喰らう。

死んだ夫の霊との旅をメインに描くと思いきや、その行く先々で出会う人々の人生模様を淡々とオムニバス風に描く作り。

大昔の映画ファンならさしづめ【舞踏会の手帳】みたいなストーリーと思うのだろうか。

霊体か実体かよく分からない夫の姿には最後まで戸惑いを引きずるが、そこら辺は日本映画お得意の、

"雰囲気で誤魔化してるけどなんとなく分かるでしょ?"

な撮り方なのでハッキリとしたネタ明かしは期待しない方がいい。

キネ旬ベストテンで評価される作品って、なんかこうゆうパターンが多いな。

それにしても深津絵里は最近見なくなった。
satoshi

satoshiの感想・評価

3.9
【監督強化月間⑥ 黒沢清】


 観て思ったのは、『回路』と似たような話だなということ。本作でも「死者」と「生者」がこの世に混在していますし、死者が消えるシーンは、『回路』の染みを彷彿とさせます。

 そして、『回路』と同じく、死者と生者の境界を、画面の層を重ねることで描いています。よく観てみると、本作では浅野忠信と深津絵里は手前と奥で会話をしているシーンが多々あります。私はここに死者と生者の越えられない境界を感じました。でも、だからこそ、終盤の「交わり」に感動させられます。

 また、黒沢監督の、得たいの知れない「不気味さ」は本作でも健在。特に小松政夫さんの下りはゾッとさせられた。

 黒沢監督の作品は、終盤で「ここではないどこか」を目指します。本作では、旅の末、3年間、ずっと死者に執着していた彼女が、本当の意味での別れを経験し、また歩き出します。それは他の黒沢清作品と同じく、爽やかで、感動的なものでした。
kotone

kotoneの感想・評価

-
「十年後も二十年後も絶対に忘れない」わたしも人を一生思うことができる、忘れたりしないから
毎回書いている気がするが、どんなストーリーでも黒沢清監督の手にかかればホラーの片鱗を見せる。
それが「いやいやおかしいでしょ」と思うこともあるが、これはそれで良かったと後になって思う。だってこれは『黄泉がえり』や『ツナグ』のようなハートウォーミングストーリーではないから。
ウォーミングして終わらせたらダメなやつだから。

いつも感じる浅野忠信氏の人間としての不安定さが今回は幽霊という形で絶妙にハマっていた。
Miwa

Miwaの感想・評価

2.9
小松政夫のストーリーが映像も切なかった
りっく

りっくの感想・評価

3.2
一見ハートウォーミングな夫婦のラブストーリーだと思いきや、そのような心温まる映画の皮を被った黒沢清映画にきちんと仕上がっているのが心強くもあり期待を裏切らない。

今までの黒沢清映画では「次の瞬間、何か写り込んでいるかもしれない恐怖」が全体を支配していたが、本作はむしろ「次の瞬間、愛する夫が消えてなくなっているかもしれない恐怖」を各シーンに染みこませているのがポイント。真逆のベクトルでの恐怖、そしてそれは愛があるからこその恐怖である点に於いて、他の黒沢清映画とは一線を画したものになっていると思う。

もちろん「恐怖」は一種類だけではなく、例えばラストの感動的な夫婦の営みでさえ、人間と幽霊が行為しているわけであって、見方を変えればおぞましい場面にも見えてくる。

あるいは、夫が生前浮気疑惑があった職場の同僚を妻が問い詰める場面。この場面の深津絵里とケロッとした蒼井優の顔が大写しになるやりとりは可笑しくもあり同時に恐怖でもある。

その他にも深津絵里が冒頭のピアノのレッスン場面で引き直しを指示する場面、帰宅するやいなや夫の大好物であったしらたまを作るためにゴマを猛スピードで炒る場面、さらには夫が部屋の角に佇む初登場場面などゾクッとする場面が満載。

全編をハートウォーミングで感動的な劇判を流してはいるものの、音楽を例えばホラー映画のようなおどろおどろしい音楽に代えても成立しそうな、そんな奇妙なバランスをした映画である。
とっても変な映画
黒沢さんの映画は設定に緻密さがあるわけでもなくて、なんとなくファジーだし、
会話のやり取りや演出に上手さがある、とも思わないんだけど、
だけどその設定の中で動いていく登場人物が、不思議とリアリティ持ってくるのが不思議だなあ

最近になって、
うまい映画、頭のいい映画を観たい、
と思う一方で、
やっぱりそれよりも変な映画の方が大切なのかもしれないと思うようになった

黒沢さんの映画は??で終わるものもあるんだけど、
この映画はじーんとするものがあって、
わたしは初めて好きでした

よかったです
あと本当怖いとこ怖い
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