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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のshunのレビュー・感想・評価

4.9
日本版ポスターの白黒の印象だけで暗くて難しい作品をイメージしてなかなか観る気が起きなかった作品でしたがやっと観ました。

全然思ってたのと違ってめちゃくちゃ楽しめた。

脚本、撮影、音楽そして演技まで完璧だった。
結構評価が分かれるのも納得だけど自分はすごく好きな内容だった

全部で16カットらしいですがほとんど一発撮りな感じ
すごい撮影だったんだろうなあ
これによって時間経過が曖昧になって現実と虚構の境界も分からなくなってくる。

そして映画全体に散りばめられたユーモアや皮肉の数々。もっと映画の歴史勉強して分かるようになりたい

そして演技、マイケル・キートン×エマ・ストーン×エドワード・ノートンみんな光ってた。

まずマイケル・キートン
1989年と1992年にバットマンを演じたあと続編には出演せず、ヒット作に必ず続編を提案するハリウッドのシステムに疑問を呈したこともあるという。
今作のリーガンが90年代に演じていたバードマン、最後の映画が92年だったと言ってますしマイケル・キートンのバットマンと重なります。そしてバードマンの低い声はクリストファー・ノーランのダークナイトでクリスチャン・ベールが演じたバットマンを意識している
飛行機でジョージ・クルーニーを見たくだりについても1997年にバットマンを演じていたことからきていると思われます。
そしてアイアンマンを演じるロバート・ダウニーJrにも言及されますが同じく彼が出演するスパイダーマンの映画でマイケル・キートンは鳥を模した悪役バルチャーを演じることとなる。
タクシーに金を払い忘れる描写がありましたが実際にマイケル・キートンが払い忘れたことがあったらしいです
現実のマイケル・キートンとこの映画でのリーガンとバードマンが入り混じりどんどんこの世界に引き込まれた

エマ・ストーン
この映画は「アメイジング・スパイダーマン2」の撮影の合間に撮影していたようです。グウェン・ステイシーとは真逆と言ってもいいような役。40分頃の父親との会話シーンや屋上のシーンが印象深い。実際にSNSをやっていない彼女がこの役ではネットを父親にすすめるところが皮肉が効いていますね

エドワード・ノートン
ハルクを一作演じた後降板。面倒くさい俳優として知られているらしい
ライアン・ゴズリングを代役として出していましたが彼はエマ・ストーンと3回共演したことがありその3回目(一年後)のラ・ラ・ランドではエマ・ストーンはアカデミー賞を受賞

すごい難しい映画でしたが理解したくもなる映画でした。また時間があるときにしっかり観たい
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