このレビューはネタバレを含みます
軽快なドラムとオケのチグハグな感じが日常と妄想のギャップを演出していてよかった
扉が印象的だった。扉を開けて外に出るとそこには立ち向かうべき日常があり、劇場の扉から閉め出されたら裸で何も自分を守るものもなく世間に晒され、劇中の扉を開けると自死に向かっていった。
舞台で同じシーンが繰り返されることにうんざりしていて、それを壊す行為にカタルシスを感じた。
あとアクション偏重の映画製作に批判のような負け惜しみのような台詞を言うシーンも良かった。
映画が終わりに向かうに連れて、妄想と現実の違いが段々分からなくなる。オペラ座の怪人のように、愛を知り現実世界を去ることになったラスト。マスクを外したバードマンは、本当に空を飛んでいたかもしれないし、実は地に落ちて死んでしまったかもしれない。空を見上げる娘が目にしたのは何だったのだろう。