どんちゃん

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のどんちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
観終わった後にあーでもないこーでもないと考えちゃう映画が好き。耳から煙が出るほどに考えちゃう…そんなあれこれ考えながら振り返る時間が好きなんです。
これはまさにそんな作品。イニャリトゥ監督初のコメディって、大丈夫かよ?って思ってたら高評価って事でアカデミーも取っちゃって、ひねくれた性格の僕はみんなが絶賛してるなら敬遠しよってなってたんですが…ようやく観ました。

かつてヒーロー映画で人気を博したが今は鳴かず飛ばずの俳優リーガンが復活をかけてブロードウェイの舞台に挑む。1人の男の再生物語。妻子に逃げられ娘にはボロクソ言われてヘコみます。
だいたいリーガンくらいの年齢になるともう平凡な人生を送るんだなーっと諦めてしまう人が多いと思います。良かった時代を懐かしむだけで終わる。でもリーガンは“バードマン”というもう一つの自我に語りかけられ、けしかけられて「まだまだ俺は飛べるんだ!」ってなっちゃってある意味悪あがきしちゃう。
個人的にはナオミ・ワッツの「マルホランド・ドライブ」を思わせる意味のないレズシーン。エドワード・ノートンの下半身を上手く隠すカメラワーク。パンイチで走り回るマイケル・キートンが好きなシーンです。メグ・ライアンのくだりは引いちゃったけど笑。

長回しを繋げるまるで編集点がないようなワンカットの手法、画面と音楽の融合とその見せ方など、まだまだ映画の可能性ってあるんだなぁ〜と思わせてくれた。
長々とありきたりな言葉の羅列になっちゃったけど、あのラストシーンも含めてとにかく好きなんです。はい。
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