変な映画が観たくなったので、4本連続で続きます。
こんな汚い映画はなかなか味わえないくらいに汚い。
先日鑑賞した”ジャバー・ウォッキー”も汚かったけど、あちらは不衛生って感じだけど、こちらは醜さが凝縮されている感じでしょうか。
どういった醜さかというと、
・酒に溺れる、、まさに溺れています。しかも街の住人がみんな。
酒を浴びるように飲み、永遠と飲み続けます。
・汗!汗!汗!むさ苦しい男たちの顔は常にだらだら。その汗は爽やかな汗ではなく、じめっとしており、しかも酒臭いと想像できるくらいに臭い汗。
・街が汚い。普通に汚い。嫌悪感マックスになる汚さ。
害虫も走り回ってるし、日本よ、これぞ汚部屋だ!っと言わんばかりの汚さ。
・ちゃんと汚い。ちゃんと汚れていきます。
たまに全く服や顔が汚れない作品があるけど、こちらはモノホン。
ちゃんと汚れていくし、その腐臭が漂ってくるくらいに汚い。
2回書かないとすっきりしないくらいに汚い。
・酒!ギャンブル!女(ヤバでは女はほとんど出てこない、ホモセクシュアリティな要素があるところにも注目して欲しい)!暴力!
だめ男の四カ条が見事に揃っている男たちが、わんさかいます。しかもみんな本気なの。
この最恐四カ条を武器に男たちは生きていくのです!
・お、も、て、な、し。
全く興味がなかったので記憶がないアレ。
感動の押し付けが非常に気持ち悪いと感じ、本作を遥かに上回る汚い人たちが必死で掴んだときの名セリフですね。
そんなどこかの国の自慢の精神なんて無視した素敵な接客が見られるのが本作。
扇風機浴びながら、ハッカ水?を首に指でちょんちょんつけながら、面倒くさそうに接客する姿。
これは堪らんね、ここでヤバのヤバさ(1回は入れたかった失笑ギャグ)が分かる名シーン。
・みんなどうやって生きてるの?
こんだけの生活してるのに、どうやってみんな生計たててるの?ってのは当然の疑問でしょう。
それに対する回答は「ヤバでは無一文で生きていける」のだ!
全然うらやましくねえ、、ってのが当然の感想でしょう。
でもヤバではある意味、酒飲む奴らはみんな仲間精神があるからこそ、この回答が作品内説得力を高めていると言ってもいいのではないでしょうか。
・鑑賞注意なシーンあり!
本作ではカンガルー狩り?のシーンがあります。
本当にカンガルーを殺しているのか?はたまたフェイクなのか?
それは定かではないが、エンドロールには、ハンターが撮影した映像だと記されている。
それが本当だとしても、これは酷すぎる、、、おそらく暴徒と化した様子を描いている、もしくはカンガルーを先住民とみなし狩人を開拓者として描いているみたいな読み取りもできるかもしれないが、これは酷い。
・大人の大ゲンカ
良い大人が本気の喧嘩をします。これには、犬さんもどんびき。
泥酔しながらの喧嘩なので、それはそれは酷いもので、、喧嘩は良くないですね、と遠巻きの感想を述べるのがせいぜい。
こんな感じで、本作の醜さは突出していることが分かってもらえたでしょうか。
ここに人間の欲が膨らんでいく様や、同調するという恐怖、思考しなくなったときの恐怖などが描かれいくので、醜さ+不快感でいろんな意味でインパクト大。
ちなみに物語は、田舎の小学校にとばされた小学校教師が休暇で、彼女に会いに行くときに立ち寄った本作舞台の街ヤバでの出来事を描いている(こんなシンプルな話なのに、これほどの作品に仕上げることが単純にすごいでしょ)。
その出来事の先に主人公が待っていたのは、なんだったのだろうか。
私はラストシーンで、途方もない”虚無”を感じてしまい、狂うしかやっていけなねえよと感じ、”虚無”にはまっていきましたとさ。