かねてより、登場人物がめちゃくちゃ呑む映画だと聞いていたから、観る前に近所のコンビニでビールを買ってそれを空けながら観てみたのだが、予想を遥かに上回るレベル。ただただ一生ビールを呑み続けてゲロゲロになる、キチガイ映画だった。
オーストラリアについて何も知らないから、ああいう砂漠の町やレストランやバーといった風景や生活習慣が実際に日常的なものなのかそうでないかはよくわからない。しかし、間違いなくアメリカやイギリスとはまた違う未知の世界が映し出される。
とはいえ、よくわからない博打の情景やたびたび巻き起こるバカ騒ぎ、ハンティングの場面などは必ずしも魔術的・超現実的ではないものの、どこか浮ついた悪夢感があり、その絶妙さが未だかつて観たことがない奇妙な味を生み出しているといえる。
結局のところバカバカしい噺でしかないのだが、観終わった後に残るのは二日酔いの時に味わうような無力感。とはいえ、どこまでも広がる砂漠の風景やカンガルー狩りが出てくるし、この映画はオーストラリアを代表する一本である事は間違いない。