Shelby

ジャングル・ブックのShelbyのレビュー・感想・評価

ジャングル・ブック(2015年製作の映画)
4.5
ディズニー作品が続々と実写化されてる風潮が多くなりつつある今日この頃。嫌いではないが、その風潮は如何なものかと友人と話していた矢先。福岡で開催されておりますウォルト・ディズニーアーカイブ展に足を運んで参りました。そんな話をしていたばかりなのもあって、素直に楽しみにしていた反面、実写映画の告知的要素もあるのだろうなと疑り深い私は勘繰りながら赴いた。

しかし、そこにあったのは、古くから大切に保管し続け、確かに築かれていった歴史、ディズニー作品と一つ一つに存在するキャラクターへの深い愛情。実際に使用されてきたウォルト・ディズニーのデスクや原画。練り続けられていったキャラクター草案。アニメーションや映画に起用するにあたり制作陣の思いが詰まった衣装や小道具。受け取り側が受け取りきれないほど、想像を遥かに超える作り手の苦悩、そしてそこに込められた想いを痛感した。
きっと私の小さな想像力では計り知れないもっと壮大な裏側があるのだろうと分かるほど、断片的に見せられた制作陣のそれ等はアーカイブ展を赴く前と後で、私の心情をいとも簡単に覆してくれたのだ。

そんな感銘を受けた後、見る前からイチャモンを付けるのはやめようと実際に実写映画として、見ていなかった今作を手に取った。
そして、鑑賞後メイキング映像まで全部みた。
ストーリーはアニメ版のものとは少し変わってはいた。そして私も大好きでよく口ずさんでいた曲の数々もアレンジが加わっていた。しかし、それでいい。私の中でアニメのジャングルブックはもう確立された存在であり、絶対的なもの。それはアラジンやダンボ、ライオンキング等、ディズニー作品全般に言えることでもある。
しかし、そのアニメーション版ジャングルブックへのリスペクトに加え、新しい解釈と最新の技術を組み合わせた今作の新ジャングルブックは新旧見事に融合され、より素晴らしいものへの昇華されたのだということが分かった。

モーグリとラクシャのお別れのシーン。より心血注いだというジョンファブロー監督が言う通り、指で梳いた時の雨に濡れて先細った毛並みの感触や距離感まで完璧に実際モーグリの目の前にいるかのような圧倒的存在感。モーグリ以外のジャングルや動物達は全てフルCG。そんなことを忘れさせるくらいのクオリティの高さ。見る前から四の五の言わず見ておくべきだった。
シェフ三ツ星フードトラック始めましたのジョンファブロー監督が手がけているのだから面白くないわけがない。面白くて2回見てしまった。アニメ版でも欠かせない、本を閉じる演出がされているのもまた憎い演出。ページをめくる度に可愛らしい動物達が動き回る。最後まで飽きさせない工夫が凝らされているのも、またディズニーへの尊敬の意を表したもののように受け取れた。

これからもディズニーに心酔し続け、ずっとずっと好きでいようと決めた。そんな決意を新たにさせてくれたディズニー作品は、私の中でもはやバイブルと言っても過言ではない。
Shelby

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