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ジャングル・ブックのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

ジャングル・ブック(2015年製作の映画)
5.0
ディズニー長編アニメーションの実写リメイク作品。
物心付いた頃から人里離れたジャングルの奥深くで黒豹(Bagheera)や狼達(Raksha、Akela)に育てられてきた人間の仔Mowgli。暴君虎(Shere Khan)に命を狙われながらも、多くの動物達と触れ合いながら成長し、自分のアイデンティティを確立する。

アニメーションタッチのジャングルからどんどん画面が引いていって、CGで作られたジャングルに吸い込まれる。(EDは逆に手書きタッチになって本が閉じられる演出も凝っている。)

背景も動物達もフルCGということに驚き。完成度が高い!一見するとドキュメンタリーを観ているみたい!
骨格を意識したリアルな動き。毛並みや鱗の質感。それでいて表情が違和感のない絶妙な匙加減で入っている。

アレンジされた動物達も魅力的。
King Louieは絶滅したギガントピテクスとしてキャラクタライズされ、非現実的なモンスターとして良いアクセントになっている。
錦蛇のKaaは特徴的な目が強調されて小さく流線的な顔立ち。大きく口を開けたカットも妖艶な雰囲気。Scarlett Johanssonの声がピッタリ。
そしてなにより赤ちゃん狼達が(特にGrayが)可愛すぎる、、!!

Shere Khanが恐ろしい。ヴィランズにありがちな《権力への欲望》というより《人間への憎しみ》だけで動いているからだろうか。
How many lives is a man-cub worth? (man-cubという表現は面白かった。)
登場シーンからめちゃくちゃ不気味。
Rakshaの子供達にカッコウの托卵について語るシーンも、語弊があるし洗脳しているようで気味が悪い。直後のカッコウのワンカットはウッとくるものがあった。(語彙力)

クマの Balooが明るくて自由で、考え方も柔軟で、結果よければ良いみたいな所もあるけど非常に良いキャラクター。
You have never been a more endangered species than you are at this moment
クマジョークが炸裂した時は笑った。

幼いMowgliは《Rakshaの仔=man-cub》として群れを離れる。
Shere Khanとの最終決戦ではBagheeraから《fight him like a man》の言葉を受け、《the Red flower》と《tricks》を使って撃退する。
《人の仔》から《人間》として成長しても尚、《ジャングルの掟》を唱えて仲間として認められる。(ジャングルの創造主=象は、最初Mowgliに一瞥くれるだけだったが、象を危機から救い出し、背中に乗る所まで認められる。)

CG技術も脚本もキャラクターも素晴らしい。動物好きにはたまらない一作。